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バートン×デップ、4度目のコラボレーション!


『チャーリーとチョコレート工場』来日記者会見

 2005年9月4日(日)、日比谷の帝国ホテルで、『チャーリーとチョコレート工場』(ワーナー・ブラザース映画配給)の監督ティム・バートン、プロデューサーのリチャード・D・ザナック、主演のジョニー・デップの来日記者会見が開かれた。
 バートン監督の来日は今回で9度目、『ビッグ・フィッシュ』(2004)から約1年ぶり。ザナックも1964年東京オリンピックの初来日以来、何度となく日本を訪れているが、前回は10年前(東京国際映画祭の審査委員長として招待された)。また、デップも『デッドマン』(1995)以来10年ぶり、ファン待望の来日となった。
 前日、成田空港では2000人とも伝えられる大観衆がジョニー・デップを出迎えたが、帝国ホテルのロビーにもざっと見て数百人のファンが詰めかけた。クセのある役を得意としながらも幅広い層に好かれるデップだが、『パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち』(2003)でさらに人気がブレイクしたらしい。
 当のデップもその熱狂ぶりにやや驚いた様子で、「次は10年も経たないうちに、また戻ってこられるようにしたい」と挨拶をした。


  ティム・バートンとジョニー・デップのコンビは『シザ
ーハンズ』(1990)に始まり、『エド・ウッド』(1994)、『スリーピー・ホロウ』(1999)に続いて4回目。そして『チャーリーとチョコレート工場』のあとに公開されるバートン監督のストップモーション・アニメ作品『コープス ブライド』で、デップはバートンのパートナーである実力派女優ヘレナ=ボナム・カーターと共に声優に挑戦している。
 バートン監督との関係について質問されたデップは、「完璧な、深い信頼感がある。心の底から信頼している」と答えた。そして、信頼の先にあるのは“お楽しみ”だ、という。「彼とは楽しい時を過ごすことができる。ひとつの場面について、僕たちはあらゆる可能性を考えながら撮影する」とデップ。信頼を基盤に、楽しい現場にすること、それがバートンとデップのスタイルだということだ。

 一方、バートンは、「『シザーハンズ』で顔合わせしてから、彼は会うたびに素晴らしい俳優に成長してゆく。おかしな衣裳を着て、おかしな演技をするすごい俳優。そんな彼と仕事をするのがすごく好きだ」と、特異な資質を持つデップにふさわしい賛辞を送った。

 『チャーリーとチョコレート工場』はミステリー小説や児童文学で知られるイギリスの作家ロアルド・ダールが1964年に発表した『チョコレート工場の秘密』が原作。イギリスでは『ハリー・ポッター』シリーズや『指輪物語』に並ぶ人気を誇るロングセラーで、1971年にはメル・スチュアート監督、ジーン・ワイルダー主演で映画化され高い評価を受けている(日本では劇場未公開で、ビデオ・タイトルは『夢のチョコレート工場』)。
 バートンもデップも好きだったという人気作品を映像化しようと思ったきっかけを、プロデューサーのリチャード・D・ザナックが語った。「もともとワーナー・ブラザース・スタジオが版権を持っていて、映画化の話が決まったとき、ティムと一緒にこのプロジェクトに参加することになった。私が是非ともこのプロジェクトに関わりたいと思ったのは、ロアルド・ダールの名作と、ティムのようなイマジネーション豊かな人物とのコンビネーションが素晴らしいものを生み出すのではないかと思ったからだ。エンターテイメントとして優れたものになると思ったのと同時に、これは、とてもいい家族の物語でもある。最後には素直で正直な良い子が勝つといった道徳的なメッセージは、ダールの原作にもティムのテキストにもあった。そこが非常に考え深いと思った」

 ちなみに、バートンがプロデュースしたストップモーション・アニメ『ジャイアント・ピーチ』(1996)は同じくダールの『おばけ桃の冒険』が原作である。

 世界中で愛されている原作のキャラクターを演じることは楽しかったか、あるいはプレッシャーだったかという質問に、「プレッシャーはむしろティムやリチャードのほうにあったと思う。僕はそれほどプレッシャーは感じなかったが、ロアルド・ダールの意図をきちんと映画化すること、彼の描いたキャラクターを忠実に演じることには深い責任を感じた。彼の家族への責任も感じた」とデップは答えた。

 デップの家族についての質問も寄せられた。撮影中、デップの子供たちもセットを訪れ、彼の専用トレーラーに遊びに来たが――。「トレーラーのドアを開けたとき、僕はウォンカの扮装をしていた。それを見て、子供は3分半くらい口をあけていた」と、デップはそのときの子供の顔をしてみせた。「トラウマになったかもしれないね」と彼は笑って続ける。「3歳になる子は映画を観たあと、こう言ったよ。“パパ、すごくヘン”」
 我が子のために「カリブの海賊」を演じたというデップ、ここでも「よき父親」の一面をのぞかせた。

 ザナックにとっては、「ティム・バートンにプレッシャーがかからないようにすることが、今回、私の最も重要な仕事だった」という。「できるだけスタジオや出資者から遠ざけて、想像力豊かなティムが望みどおりのものをつくれるよう、彼を守ることが私の任務だった」

 また、役づくりについて、デップは語る。「ウォンカというキャラクターを自分の中でしっかりと見つければ、あとはOKだった。ウォンカがどういう男で、どんな背景があるのかを、ティムとディスカッションし、まずは、子供番組の司会者のように奇怪な調子で、ニューロティックな話し方にしようと決めた。あるいはクイズ番組の司会者の独特な話し方もいいと思った」そうやって役をかためるまでの過程は大変だが、一度つくりあげてしまえば、楽だったということだ。

 しかし、ウィリー・ウォンカの魅力について尋ねられると、デップは、「わからない。だいたい、彼が魅力的かどうか、なんとも言えない……」と困惑したような顔をみせ、会場の笑いを誘った。役へのアプローチという点では、バートンとジョン・オーガストの脚本が非常に丁寧に、また大胆につくりあげた、ウォンカのバックストーリーが役立った。「ウォンカがなぜこのような男になったのか、どこから来たのか、どんな子供時代を過ごしたかを知ることができた。彼が魅力的かどうかはわからないが、彼のバックストーリーは興味深いと思った」

 原作のウィリー・ウォンカは白髪の老人で、映画のようなバックストーリーはないという。したがって、結末も原作とは違う意味合いを持つことになったということだ。

 タイトルロールであるチャーリーを演じたフレディ・ハイモアは、デップの推薦で決まった。ハイモアはアカデミー賞7部門にノミネートされた『ネバーランド』(2004)でデップと共演している。
「ティムが会えば絶対気に入ると思い、少しだけお膳立てをした。彼が選ぶという確信があった。実際、 フレディは僕たち全員のバー(水準)を上げたと思う」と、彼はハイモアを絶賛。「一生懸命働き、才能にも恵まれている。しかも、とてつもなくかわいい(super sweet)。ノーマルな13歳の部分もあり、それでいて年より頭のいい子という印象がある」

 『ネバーランド』を見ていなかったというバートンだが、彼もハイモアに一目惚れした。「見たとたんに、この子だと思った。チャーリーのようにシンプルな役を演じることはとても難しい。演技指導して演じられるものではなく、そういうパーソナリティーを備えていないと、シンプルさは出せない」感情表現も素晴らしいというハイモアは、もうひとつ、チャーリーに必要な資質を備えていた。「貧乏な家の子で、やせ細っているという想定がある。彼はぴったりの体格をしていた」

 劇中、『2001年宇宙の旅』(1968)の出だしを思わせるシーンが登場するが、スタンリー・キューブリック監督へのオマージュなのか、別の意図があったのかという質問に、バートンは、「キューブリックは素晴らしい監督だ」と認めながら、「実は、あのシーンはハプニング」と舞台裏を語った。「白いTVルームのセットをつくってみたら、『2001年』を彷彿させるセットができあがり、音を入れると、宇宙船の中にいる感じがした」すぐに『2001年』の有名なシーンが浮かんだというバートンは、ごく自然に、板チョコをモノリスに見立てた。「でも、テスト試写で何人かの子供から、“この映画はとてもよかったけれど、猿が出てくる場面はウソっぽかった”と批評されたよ」

 また、それぞれの「お気に入りのシーン」について訊かれ、デップは、「好きなシーンを選ぶのは難しいけれど、撮影で思い出に残っているのは、ティムが僕や子供たちをガラスのエレベーターに閉じ込めて、100フィートの高さに宙吊りにしたこと」と回想する。「暑いエレベーターの中で、(雪が降りつもる)お菓子の山を想像して演技するのは、ちょっとない体験だった」

 バートンも、好きなシーンを選ぶのは難しいと前置きしたうえ、「しいて言うならリスのシーン。リスが苦手だから。自分の恐怖心を拭い去るという意味でも、あのシーンは印象的だった」と本気か冗談かわからないバートン節を聞かせた。

 「私もいちばん好きなのはリスのシーンと言おうと思っていた」とザナック。「あそこでゴミの中に捨てられるベルーカ・ソルトという少女が大嫌いだから。いい気味だと思った」もうひとつ重要な「お気に入り」のシーンがある。「ジョニーが初めてウィリー・ウォンカとして登場するシーンだ。それまでほとんどウォンカは姿を現さないから、このシーンはとても重要だった。ウォンカがどんな人物かを説明し、みんなの期待にどう応えるのかというシーンでもある。ジョニーは本当に完璧な演技をした。子供っぽくて、どこかヘンで面白いという、すべての要素がある。劇中の子供たちや親たちと同じようにも、観客もこれからどんな工場見学になるのかという期待感が高まる。あのシーンのジョニーは本当に素晴らしかったと思う」

 ティム・バートンと、『PLANET OF THE APES 猿の惑星』(2001)に主演したヘレナ=ボナム・カーターとの間に、去年男の子が生まれた。その事実がこのファンタジー・アドベンチャーにどのような影響を与えたかと訊かれたバートンは、「僕が赤ちゃんを産んだわけではないけれど……」と軽くかわした。「子供を持つという感覚は、美しい体験だが、すごくショッキングな出来事でもあった。でも、まだ子供はホラー映画かエイリアンの世界のものという感じだ。今のところ子供の影響を受けてはいない。まだショック状態にある」

 その息子ビリー・レイモンドは『チャーリーとチョコレート工場』にちらりと出演している。今後、へレナ=ボナム・カーターと監督、ビリーのコラボレーションもあるのでは、という質問には、「画面を横切る役で出演しているけれど、これが彼の最初で最後の映画出演だ」と否定。「横切るたびにカメラを見てしまうから、20テイクも撮り直さなければならなかった。もう絶対使わない(笑)」

 続編についての質問に、ザナックは、「版権を持っているスタジオが決めることだが、今まで続編をつくった経験から言うと、第1作のレベルを保つのは難しい。続編がうまくいくというケースはとても珍しい」と述べた。「ただし、ティムとジョニーが、本当に素晴らしいスクリプトを出してくれたら、検討したいと思う。もっとも、この作品は1作で充分成立していると思う」

 『チャーリーとチョコレート工場』に続き、10月には『コープス ブライド』が公開されるが、初の声優体験について、デップは、「アフレコは楽しい体験だった」と振り返る。「声だけの演技だから、動きがまったくなく、空気の中から演技を引き出すような感じだったが、今まで経験したことなかったから面白かった。ストップモーション・アニメ製作のプロセスも勉強することができたし」と、技術に感心した様子。

 『コープス ブライド』は『チャーリーとチョコレート工場』と同時に撮影されたが、それについて、「2本の映画を同時につくり、ややフランティックになった」というバートン。「両方にジョニーが出てくれたのは本当にありがたかった。彼は1日中ウォンカを演じて、それが終わって子供たちが帰ると、キャラクターをスウィッチしてアフレコにかかったりした。ふたりとも一緒にいたから、便利と言えば便利だったが、やはり大変だった」
(※『コープス ブライド』の公式HP

 バートンの次作は、ブロードウェー・ミュージカルの傑作『ジプシー』のヒロインで実在した伝説のストリッパー、ジプシー・ローズ・リーの物語だという噂が流れている(日本では1991年に宮沢りえがジプシー・ローズ、そのステージママを鳳蘭が演じている)。また、ドイツの雑誌で、デップが次はポルノ映画に出ると発言している。この真偽について尋ねられると――。

 バートン「そう、ジョニーにジプシー・ローズ・リーを演じてもらう」
 デップ「(ポルノ映画出演について)ジョークじゃない。まじめに答えた」
 バートン「これについてはふたりで深くディスカッションしたよ」
 デップ「お金もいいらしいね」
 バートン「今、キャスティングしている最中だ」

 真顔で漫才を始めるコンビに会場は爆笑。結局、次作の噂の真偽はケムにまかれた。

 会見が終わったあともティム・バートン、ジョニー・デップは、帝国ホテル内で夜遅くまでかかって、40近いメディアの取材を受けたという。
 翌5日月曜は六本木ヒルズでジャパン・プレミアが開かれるが、台風の影響で東京はこの夜、一部地域が集中豪雨に見舞われ、かなりの被害が出た。プレミア開催も危ぶまれる状況であった。

写真 & テキスト : Rieko Kamiya
構成 : Takayuki Kawamoto


『チャーリーとチョコレート工場』
CHARLIE AND THE CHOCOLATE FACTORY

さぁ、世界一オカシな工場見学へ!!

2005年9月10日(土)より、
丸の内ピカデリー2ほか全国松竹・東急系にて公開

日本公式サイト
http://www.charlie-chocolate.jp/
オリジナル公式サイト
http://chocolatefactorymovie.warnerbros.com/

 

 

 

 

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『チャーリーとチョコレート工場』ジャパン・プレミア

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